みどころ:男子4×100mR、女子4×100mR

2019 / 05 / 09

ペースが速くドラマチックで予想外の展開が期待できる4×100mRは、陸上競技の中でも最も盛り上がる種目の一つです。IAAF世界リレー2019横浜大会では、2017年大会でそれぞれ男子、女子のチームで優勝したアメリカとドイツが、世界王者の座とドーハ2019世界選手権出場権獲得を目指して戦います。

 

◆男子4×100mR

2017年大会では、アメリカの優勝を除いてほとんどの順位が大方の予想を外れた結果となりました。

世界記録を持つジャマイカが予選落ちし、数ヶ月後に世界タイトルを勝ち取るイギリスは決勝でバトンの受け渡しに失敗。一方でバルバドスがアメリカに次ぐ2位に入り、人々を驚かせました。

同年の世界選手権では、ジャマイカの4x100mRチームがまたしても不運な結果に終わった一方で、世界をリードする他のリレー強豪国は世界一の栄誉をかけてしのぎを削り、イギリスがヨーロッパ新記録の37秒47でアメリカに0秒05の差をつけ優勝しています。

この時のイギリスの優勝メンバーのうち、シジンドゥ・ウジャ、アダム・ジェミリ、ネサニエル・ミッチェル=ブレークの3選手が横浜大会のイギリスチームに名を連ねています。2014年の世界室内60mチャンピオンのリチャード・キルティ、4x100mRで2度ヨーロッパチャンピオンに輝いているハリー・アイキネス=アリエティも加え、戦力はさらに増しています。

アメリカチームのスター選手といえば、200mで2017年と2018年にIAAFダイヤモンドリーグチャンピオンとなったノア・ライルズ。今回は、2017年世界リレーでアメリカチームを勝利に導いた2人の選手が彼に加わります。100mで世界チャンピオンに輝いたジャスティン・ガトリン、そして2010年世界室内60mで銀メダルを獲得したマイク・ロジャースです。

2016年オリンピック銀メダル、そして2017年世界選手権銅メダルを経てきたホスト国の日本には、今大会で他のどのチームよりも大きな期待がかかります。

主催国日本のチームは、ロンドンオリンピックで日本チームの顔として活躍した桐生祥秀と多田修平を筆頭に、アジア大会200mチャンピオンの小池祐貴とアジア大会100m銅メダリストの山縣亮太を加えた布陣です。

ジャマイカは、以前の強さに及ぶとは言い難いものの、ジュリアン・フォート、ジェボーン・ミンジー、タイクエンドー・トレイシーといった選手のスピードを武器に、首位争いに加われる実力は充分にあります。

中国は2017年の世界リレーで3位に入っており、横浜大会ではその時のメンバーから3選手が中国チームの顔として出場します。チームを率いる蘇炳添は室内陸上銀メダリスト、謝震業は100m9秒台の記録保持者。失格という失意の結果に終わった最近のアジア選手権からの挽回を狙います。

カナダの4x100mRチームにはオリンピック200m銀メダリストのアンドレ・ド グラスが戻り、2015年世界選手権、そして2016年オリンピックで銅メダルを獲得した好調期の再来に期待がかかります。既にフロリダリレーで38秒34という今年の世界最高タイムを記録しています。

ブラジル、フランス、トルコ、南アフリカは揃って手強い不調に苦しんでいますが、一方でインドネシアはU20の世界王者ラル・ムハンマド・ゾーリ、100mのイタリア記録保持者フィリッポ・トルトゥがそれぞれ自国の代表チームを引っ張ります。

とはいえ、26の参加チームのうち、世界選手権への切符を手にするのはわずか10チーム。予想外の展開に驚かされる可能性は充分に残っています。

 

◆女子4×100m

2017年の世界リレーで得られた教訓があるとすれば、4x100mRに限って「優勝候補」の予想は全く無意味ということでしょう。どんなことでも起こりえるのです。

1レーン・アメリカがオリンピックで41秒01秒の世界歴代2位のタイムを記録し金メダルを獲得してから、まだ1年足らずのこと、その金メダリストチームから2選手が、9ヶ月後にナッソーでの世界リレーに出場したものの、1走でティアナ・バートレッタが転倒したことで勝利の希望は消えました。

このチャンスをものにするのは、当時の世界チャンピオンだったジャマイカかと思われましたが、実際に勝利を掴んだのは42秒84を記録したドイツでした。

2017年大会で優勝したドイツからは、レベッカ・ハーゼ、リーザ・マイヤー、アレクサンドラ・ブルクハルトの3選手が横浜大会にも出場し、さらにヨーロッパ選手権100m銀メダリストのジーナ・ルケンケムペルがチームの戦力に加わります。

しかし、アメリカの強さに再び挑むには、ドイツは前回のほぼ完璧な走りを再現する必要があるでしょう。アメリカは、実に5人が11秒を切る自己記録の持ち主。100m世界チャンピオンのトリ・ボウイが世界リレーデビューを飾り、チームメイトには昨年の全米選手権で1位から3位を占めたアレイア・ホブス、アシュリー・ヘンダーソン、ジェナ・パランディニが名を連ねます。さらに2015年NCAA200mチャンピオンのデゼリア・ブライアントが加わり、チームに死角はありません。

100mおよび200mでヨーロッパチャンピオンのディナ・アッシャー-スミスこそいないものの、4x100mRイギリスチームの布陣は近年の堅実さが更に高いレベルに達しており、上位争いに食い込んでくるでしょう。

ジャマイカのスター選手、エレイン・トンプソンとシェリー‐アン・フレーザー‐プライスは4x200mRでの参加ですが、4x100mRに名を連ねるガイヨン・エバンス、シャシャリー・フォーブス、ナターシャ・モリソン、シェローン・シンプソン、そしてジョニエル・スミスも、リレー競技で勝利を掴むために必要なスピードと経験は充分に持っている選手たちです。

中国は先月のアジア選手権で金メダル、2017年世界リレーおよび2018年コンチネンタルカップで3位と、最近の主要な大会では決勝の常連になっている精鋭軍団です。

カナダ、ブラジル、そしてトリニダード・トバゴも、ドーハ2019世界陸上競技選手権大会出場を決める10チームに入ってくることが期待されます。

Jon Mulkeen for the IAAF

 

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@IAAFYokohama19
#FasterAsOne

11 - 12th May 2019