
コラム:世界リレー横浜大会とは
2019 / 02 / 21
陸上競技の普及とリレー種目の魅力を世界にアピールすることを目的として2014年に新設された世界リレー。2014年以降、2015年、2017年に行われた過去3大会は、バハマの首都ナッソーで開催されました。ここでは各大会の模様と、第4回大会を開催する日本について、ご紹介しましょう。
世界リレー第1回~第3回大会ダイジェスト
第1回:2014年5月24~25日
男女4× 100m・4×200m・4×400m・4×800m・4×1500mの全10種目が行われ、43 カ国から576名がエントリーしての開催となりました。男子4×200m(ジャマイカ:1分18秒13)、男子4×1500m(ケニア:14分22秒22)、女子4×1500m(ケニア:16分33秒58)の3種目で世界新記録が誕生。男女総合得点は、アメリカが優勝した5種目ほかで60点を上げてジャマイカ以下を制し、ゴールデンバトンを獲得しました。
第2回:2015年5月2~3日
42カ国から584名が参加。男女4×1500mに代わって、ディスタンスメドレー(1200m+400m+800m+1600m)が男女で実施される形で計10種目が行われました。アメリカが、男女ともにこの新種目で世界新記録(男子9分15秒50、女子10分36秒50)を樹立するなど7種目に優勝して63点を取り、2年連続でゴールデンバトンを獲得しています。また、アメリカとジャマイカのバトルが注目された4×100mには、ジャマイカのアンカーとして100m・200m世界記録保持者のウサイン・ボルトが出場。序盤で大きくリードを奪ったアメリカ(37秒38の大会新で優勝)を逆転することはかなわず2位でのフィニッシュとなりましたが、同じカリブ諸国のジャマイカが生んだスーパースターの走りに、観客から熱い声援が送られました。
第3回:2017年4月22~23日
第2回大会で実施された男女ディスタンスメドレーに代わって、男女混合4×400mが取り入れられ計9種目での開催に。35カ国から509名が参加して行われました。大会最終種目として行われた男女混合4×400mで、地元バハマが3分14秒42をマークして初優勝を達成。会場を大いに盛り上げました。オリンピック翌年ということもあって、記録は全般に低調な傾向が見られましたが、男子4×100m、男子4×400m、男子4×800m、女子4×400m、女子4×800mの5種目を制したアメリカが60点で男女総合を制し、3年連続のゴールデンバトン獲得となりました。
第4回大会開催国の日本は?
第4回大会の開催地となる日本は、もともとリレー種目に人気があるお国柄。特に、男子4×100mは、2008年北京オリンピックで待望の初メダルを獲得(大会当時は銅メダル。その後、上位国のドーピング違反により2017年に銀メダルへの繰り上げとなった)。2016年にリオ五輪では銀メダル、2017年ロンドン世界選手権では銅メダルを手にするなど、着実に力をつけてきました。国別世界歴代記録では、ジャマイカ(36秒84)、アメリカ(37秒38)、イギリス(37秒47)に次ぐ、37秒60の歴代4位に位置しています。
日本は、世界リレーにも第1回大会から連続して複数種目に出場しており、第1回大会男子4×100mでは38秒40で5位に入賞して2015年北京世界選手権出場権を獲得、第2回大会男子4×100mではアメリカ、ジャマイカに次いで銅メダルを得て2016年リオ五輪出場権を手に入れてきました。
第4回大会が行われる横浜国際競技場は、過去に長年、日本選手権リレーが実施されてきた場所。この地で、男子4×100mでの「世界大会初優勝」に挑みます。また、世界リレーは、地元開催となる2020年東京オリンピックでの活躍を実現するための、その“出場切符”が得られるドーハ世界選手権入賞に向けた最短ルートとなる大会でもあります。過去に五輪・世界選手権で多くの入賞実績を持つ男子4×400mや、五輪開催を機に大きな飛躍を狙う女子両リレーにおいても、この大会での過去最高成績を目指した取り組みが進められています。